ワンピース1098話Rawの真相と下書き掲載理由|ボニー誕生の悲劇
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第1098話が読者の心をえぐった最大の理由は、作画状態以上にその過酷極まりないシナリオ展開にありました。長きにわたり革命軍幹部、王下七武海、そして自我を失った人間兵器として描かれてきたバーソロミュー・くまの過去編は、少年漫画の枠を超えた過酷な不条理劇だったのです。
物語の起点となるのは、革命軍の東軍軍隊長を務めていたジニーの拉致事件です。彼女は突如として現れた圧倒的な権力者によって連れ去られました。これが作中で明かされた天竜人とジニーの経緯です。ジニーは何者かの妻となることを強要され、世界貴族による蹂躙と支配の象徴である聖地マリージョアへと囚われてしまいます。くまをはじめとする革命軍の仲間たちは彼女を奪還すべく必死に捜索を続けましたが、不可侵の聖地に阻まれ手を出せないまま歳月が流れていきました。
そして2年後、ジニーからくまの元へかかってきた最後の一本の電伝虫。彼女は「青玉鱗(せいぎょくりん)」という、太陽光や自然光を浴びると皮膚が青い石のように結晶化して死に至る不治の風土病を発症し、用済みとしてマリージョアから下界へ投棄されていたのです。これがジニーと青玉鱗の真相であり、彼女は命の灯火が消えかける中、あるひとつの小さな命を抱きかかえて故郷ソルベ王国へと帰還していました。
その赤子こそが、後に最悪の世代の一角として名を馳せることになるジュエリー・ボニーでした。これこそが全ワンピース読者を震撼させたジュエリー・ボニーの誕生秘話です。生物学的な父親はジニーを拉致した憎き天竜人であり、くまとは血が1滴も繋がっていないという残酷な事実。しかし、くまは息絶えたジニーの亡骸の前で号泣し、赤子を抱き上げ「おれがお前を育てる」と誓います。世界で最も残酷な運命から生まれた子どもを、世界で最も優しい男が無条件の愛で受け入れた瞬間でした。