冬の大三角を見上げる夜:ベテルギウスの謎と今宵の肉眼観測ガイド
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近年、世界の星好きを最も騒がせたのがベテルギウスの劇的な変光劇だ。2019年末から2020年にかけて「通常の40%以下」にまで急激に光度を落とし、天文学界には「いよいよ明日にも超新星爆発を起こすのではないか」という激震が走った。その後、星は息を吹き返すように明るさを取り戻し、一時は観測史上最高レベルの増光さえ記録した。
すばる望遠鏡プロジェクトやNASAのハッブル宇宙望遠鏡をはじめとする多波長観測網の解析により、あの劇的な減光は星の表面で起きた大規模な質量放出(ガスの塊の噴出)が冷えて塵となり、地球への光を一時的に遮ったことが突き止められた。巨星の表面は、まるで煮え立つスープの鍋のように激しく対流している。
とはいえ、ベテルギウスが一生の最終段階にある事実に変わりはない。中心部では核融合の燃料が尽きかけており、明日爆発しても、あるいは10万年後であっても、天文学のタイムスケールでは「瞬きの一瞬」に過ぎないのだ。国立天文台の幹部を務め、星空の魅力を長年発信し続ける天文学者の渡部潤一氏も、天体がリアルタイムで劇的な変化を見せる現場を肉眼で追える稀有な時代に私たちが生きている面白さを繰り返し強調している。