ネパール民族衣装の全貌|ダウラ・スルワールからサリーまで徹底解剖

ネパール民族衣装の全貌|ダウラ・スルワールからサリーまで徹底解剖にまつわる最新トピックを分かりやすく発信ます。

ネパールの民族衣装は、歴史的な国家統一の過程で標準化された「国民的礼装」と、140以上の民族が独自に継承してきた「民族固有衣装」の二重構造を持っています。その中でも、冠婚葬祭や公式行事で着用される基本的な装いには、明確な構造美が存在します。

男性用正装:ダウラ・スルワールとダッカ・トピの着こなし

男性の正装として国際的にも認知されているのが、ダウラ・スルワール(Daura Suruwal)です。上着である「ダウラ」は、ボタンを一切使わず、左右の身頃を重ね合わせて合計8箇所の紐で結び留める独特の打ち合わせ構造を持っています。下半身には、腰回りがゆったりとしつつ足首に向かって細くなるスリムパンツ「スルワール」を合わせます。

ネパール民族衣装 男性用着方の決定的な要素となるのが、頭に載せる菱形模様の帽子ダッカ・トピ(Dhaka Topi)と、ダウラの上から羽織るジャケット(ベスト)です。東部パラパ郡などで織られる幾何学模様の手織り布「ダッカ織り」のトピは、ヒマラヤの山並みを象徴するとされ、これを斜めに傾けて被るのが粋な着こなしとされています。公の場では、ウエスト部分に伝統的な短剣「ククリ」を模した帯留めを差すことも正式な作法と位置づけられています。

女性用衣装:グヌユ・チョロからクルタ・スルワールまで

ネパール民族衣装 女性用特徴を語る上で欠かせないのが、少女から大人の女性への移行を示す伝統着グヌユ・チョロ(Gunyou Cholo)です。上半身には前開きのぴったりとしたブラウス「チョロ」を着て、下半身には豊かなプリーツを寄せたスカート状の巻き布「グヌユ」を纏い、腰回りに帯(パトゥカ)を巻きます。これは女児が初潮を迎える前後の通過儀礼「グヌユ・チョロ式」で初めて贈られる神聖な衣装であり、女性としての社会的自立と尊厳を象徴します。

一方、現代ネパールの日常着から祝祭着まで幅広く定着しているのがクルタ・スルワール(Kurta Suruwal)です。膝丈まであるゆったりとしたチュニック「クルタ」に、ボトムスの「スルワール」、そして首元や肩に掛ける大判のスカーフ「ショール(ドゥパッタ)」を組み合わせる3ピース構造です。動きやすさと上品さを兼ね備えており、刺繍やビーズ細工の精緻さによって普段着からパーティー仕様まで多彩に変化します。

また、大人の女性が公の儀礼で着用するネパールサリーの着方は、インドの一般的なドレープと共通点がありつつも、防寒や作業性を考慮してショール(マジェトロ)を上半身に美しく重ねる点や、帯(パトゥカ)を活用してウエスト周りの着崩れを防ぐ山岳国ならではの工夫が見られます。

石川 優花

石川 優花

インテリア&ライフスタイルコーディネーター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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