心の中は自由?Sns時代の発言制限と憲法19条のボーダーライン
心の中は自由?Sns時代の発言制限と憲法19条のボーダーラインに関するポイントを丁寧にまとめました。詳細な解説をチェックしましょう。
公権力ではなく「民間企業」と「労働者」の間で思想の自由が衝突した金字塔的ケースが、三菱樹脂事件だ。学生運動への参加経歴を隠して入社した社員に対し、企業が本採用を拒否したことから法廷闘争へと発展した。裁判の焦点は、私人間の関係に憲法がどう適用されるか(間接適用説)にあった。
日本の憲法学を牽引した芦部信喜東京大学名誉教授らの理論でも深く考察されているように、憲法の人権規定は私人の間には直接適用されず、民法や労働基準法などの一般法条項を通じて間接的に効力を及ぼすとされる。最高裁は、企業にも「どのような思想を持つ者を雇うか」という契約の自由があると認め、思想を理由とする採用拒否それ自体を直ちに違法とはしない判断を示した。この結論は労働界に強烈なインパクトを与え、現代の採用面接における不適切な質問(政治信条や愛読書などに関する質問)を法的に制約する行政指導の根拠ともなっている。