髪質改善ストレートは痛まない?縮毛矯正との違いと後悔の真実
髪質改善ストレートは痛まない?縮毛矯正との違いと後悔の真実について分かりやすく解説いたします。専門家の見解をご覧ください。
現場のサロン現場を取材すると、多くの消費者が「髪質改善トリートメント」「髪質改善ストレート」「縮毛矯正」の境界線を混同させられている実態が浮かび上がります。結論から言えば、くせ毛のうねりを半永久的に伸ばす施術は、すべて化学的な還元剤を用いた縮毛矯正の領域に分類されます。
サロン業界で一般に「髪質改善ストレート」と呼ばれる施術の正体は、主にpH4.5〜6.0前後の弱酸性領域で作用する還元剤(スピエラやGMT、低濃度チオグリコール酸など)を用いた酸性ストレートです。一般的な縮毛矯正がアルカリ剤(pH8〜10程度)で毛髪を膨潤・軟化させてキューティクルをこじ開けるのに対し、酸性ストレートは毛髪の等電点(健常毛のpH4.5〜5.5)に近い状態で作用します。毛髪を無理に膨らませないため、「アルカリによる過度なキューティクル損傷が起きにくい」という利点は確かに存在します。
しかし、これは「傷まない」ことを意味しません。髪の芯にあるシスチン結合(S-S結合)を薬剤で切断し、高温のアイロン熱で整えた後に再酸化させて固定する工程は、従来の縮毛矯正と寸分違わず同じです。結合を解体・再構築する以上、毛髪内部には不可逆的なケミカルダメージが確実に蓄積します。
一方、いわゆる「髪質改善トリートメント」の代表格である酸熱トリートメント(グリオキシル酸などを使用)は、還元剤を使わず、新たな架橋結合(イミン結合)を一時的につくる疑似補修技術です。毛髪の結合自体を解体しないため、強いうねりやくせ毛を真っ直ぐに伸ばす力はありません。「トリートメント感覚でストレートになる」という広告表現は、化学的視点から見れば極めて誇大なプロモーションと言わざるを得ません。