教科書が隠した班田収授法の罠とは?古代国家の野望と崩壊の真相

教科書が隠した班田収授法の罠とは?古代国家の野望と崩壊の真相についての真相をお届けします。

三世一身法は一時的な開墾ブームを生んだものの、すぐに新たな壁にぶつかった。「祖父が開墾した土地も、孫の代が終われば国に没収される」。期限が近づくにつれ、農民たちは耕作意欲を失い、せっかく開いた田畑を再び荒廃させてしまったのだ。

業を煮やした朝廷は743年、決定的な一手に出る。「墾田永年私財法」の布告だ。自ら開墾した土地の永久私有を認めるこの法律は、公地公民制の事実上の息の根を止める結果となった。豊かな資金と労働力を持つ貴族や大寺院は、競うように周辺の荒地を開墾させ、広大な私有地を囲い込んでいく。これが中世へと続く「荘園」の母体となった。国家がすべての土地を握る時代は終わりを告げ、富める者が土地を独占する新たな格差社会の幕が開いた。

池田 達也

池田 達也

マネー&キャリアエディター

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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