得体の知れないの意味とは?不気味さの語源と心理的特徴を徹底解剖
得体の知れないの意味とは?不気味さの語源と心理的特徴を徹底解剖についての最新情報をご紹介します。
この言葉を深く知るうえで欠かせないのが、得体の知れない語源とその成立過程です。今日では「不気味」「正体不明」の代名詞となっている「得体」ですが、もともとは仏教用語の「得体(とくたい・えたい)」がルーツとされています。
仏教の戒律論において、「得体」とは戒律を授かることによって修行者の身に備わる本質的な力や資格(戒体を得ること)を指していました。これが中世から近世にかけて一般社会に浸透する過程で、「物が本来備えている実体」「構造や本来の用途」「人の素性や身元」を意味する世俗的な言葉へと意味領域を拡大させていきました。
江戸時代の戯作や怪談文学の記録を紐解くと、夜道に現れる妖怪や素性の割れない旅人に対し、「得体を見届ける」「得体が知れぬ」と表現する用例が頻出します。つまり、本来あるべき本質(得体)が認識・確認できない状態を指して「得体の知れない」と呼ぶようになり、やがて「正体が掴めず不気味なもの」を指す慣用句として完全に定着したという由来と経緯が存在します。