日航機事故「生存者殺害」の噂はなぜ広まった?陰謀論の真相を徹底検証

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航空事故調査委員会(事故調)が1987年に提出した最終報告書では、事故の原因について「1978年の伊丹空港でのしりもち事故の際、ボーイング社による後部圧力隔壁の修理ミス(リベット列の結合不備)があり、金属疲労によって隔壁が破損。客室内の高圧空気が垂直尾翼内に吹き出して尾翼大半と油圧全4系統を破壊した」と結論付けています。

しかし、この「圧力隔壁説」に対する疑問点は、元日本航空パイロットや技術者、一部の遺族の間で長年にわたり提起され続けています。主な疑問点は以下の3点です。

第1に、隔壁が激しく破壊されたのであれば客室内に猛烈な急減圧(急激な気圧低下)が発生し、気温の急低下や強烈な風、濃い霧の発生が起きるはずですが、生存者の手記や遺族が残した写真・遺書からは、酸素マスクが自動落下したものの極端な急減圧を裏付ける現象が確認しづらい点です。

第2に、海中に沈んだとされる垂直尾翼上部や方向舵の残骸が十分に引き揚げられておらず、外部からの物理的接触の有無を完全に排除し切れていない点です。

第3に、ボイスレコーダー(CVR)およびフライトデータレコーダー(FDR)の生データ完全開示を巡る問題です。遺族らが求めた生音声の開示請求裁判において、航空会社や国は「プライバシー保護」や「将来の事故調査における関係者の率直な証言確保(シカゴ条約の精神)」を理由に全面公開を拒み続けています。

こうした公的機関の閉鎖性や情報の不透明さが、「何か知られては困る事実があるのではないか」という不信感を醸成し、結果として「生存者殺害」といった過激な陰謀論を増殖させる土壌となっている事実は否定できません。

橋本 菜々子

橋本 菜々子

トレンドリサーチャー

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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