熱中症と日射病の違いとは?症状の見分け方と命を守る応急処置の鉄則
熱中症と日射病の違いとは?症状の見分け方と命を守る応急処置の鉄則について重要なポイントを解説いたします。最新の情報をお届けします。
疑わしい症状が現れた場合、救急隊の到着を待つ間、あるいは休息させる現場での初期対応が生死を分かつタイムクリティカルな勝負となります。基本手順は「避難・冷却・補水」の3ステップです。
第一に、直射日光の当たる場所から直ちに風通しの良い日陰や冷房の効いた室内へ移動させます。衣服のボタンやベルトを緩め、体幹の熱を放散させることが最優先です。
第二に、効果的な身体の冷却です。額に冷えピタなどの冷却シートを貼るだけでは、深部体温を下げる効果はほとんど期待できません。解剖学的に太い静脈が皮膚の浅い位置を通っている「両側の首筋(頸動脈部)」「両脇の下(腋窩動脈部)」「足の付け根(大腿動脈部)」の3点を集中的に保冷剤や氷嚢で冷やす必要があります。また、皮膚に霧吹きなどで水を吹きかけ、うちわや扇風機で風を送る「気化熱を利用した冷却」が極めて有効です。
第三に、経口補水液の正しい飲み方の徹底です。経口補水液(OS-1など)は、水と電解質(ナトリウム、カリウム)および糖分が特定の浸透圧比率で調合された医療用飲料です。
誤った対応として最も多いのが「一気飲み」です。胃に一度に大量の水分を流し込むと、胃壁が刺激されて嘔吐を誘発し、かえって脱水を加速させます。1回あたり50〜100ml程度を、5〜10分おきに少量ずつゆっくり噛むように摂取させるのが鉄則です。なお、本人が意識を失っている、あるいは嚥下(飲み込み)が困難な状態での無理な水分補給は、水分が気管に入り窒息や誤嚥性肺炎を引き起こすため絶対に禁忌です。