デフレスパイラルとは?物価下落の恐怖と日本経済の真相を解剖
デフレスパイラルとは?物価下落の恐怖と日本経済の真相を解剖の疑問点について、分かりやすい解説を詳しくお届けします。
デフレスパイラルを直感的に理解する鍵は、「物価下落と賃金低下の悪循環」が自己増殖していくメカニズムにあります。経済学においてデフレーション(デフレ)とは、単にモノの値段が下がるだけでなく、「お金の価値が上がり、モノの価値が下がり続ける状態」を意味します。これがスパイラル化するプロセスは、次の5段階で進行します。
第1段階として、需要の減退や過剰供給によって商品の価格下落が始まります。モノが売れないため、企業は競合に勝とうと値下げに踏み切ります。
第2段階は企業収益(売上・利益)の急速な悪化です。薄利多売を目指しても市場全体の購買意欲が冷え込んでいるため、販売数量は伸びず、利益率だけが削られます。
第3段階で訪れるのが人件費の削減と設備投資の凍結です。赤字転落を防ぐため、企業はボーナスのカット、ベースアップの見送り、非正規雇用の拡大、さらには新規採用の抑制に走ります。
第4段階として、労働者である家計の可処分所得が減少し、消費が停滞します。「将来の給料が増えない」「いつリストラされるかわからない」という防衛本能から、人々は財布の紐を固く締め、生活必需品以外の支出を極限まで切り詰めます。
そして第5段階、消費が蒸発した市場で生き残るため、企業はさらなる「値下げ」を断行します。こうして最初の段階へと逆戻りし、回転するたびに経済のパイが一段と小さくなっていく――これがデフレスパイラルの残酷な全貌です。
好景気における「技術革新(イノベーション)によるコストダウン」であれば、供給力向上と所得増加が両立するため問題ありません。しかし、需要不足に端を発する値下げ競争は、自らの首を絞める消耗戦にほかなりません。