民法109条の表見代理とは?成立要件と白紙委任状判例・110条重畳を解説
民法109条の表見代理とは?成立要件と白紙委任状判例・110条重畳を解説とはどのようなものなのか? 背景や要点を丁寧に紐解いて紹介します。
民法109条が適用されるためには、厳格な要件を満たす必要があります。2020年施行の改正民法によって条文構造が整理され、現在は1項と2項で異なるシチュエーションが明確に規定されています。
まず、基本となる民法109条1項の成立要件は以下の3点です。
① 本人が相手方に対して、第三者に代理権を与えた旨を表示したこと(代理権授与の表示)
表示の方法に厳格な制限はありません。特定の相手方に直接書面や口頭で伝えるだけでなく、名刺やパンフレット、広告などで「代理店」「特約店」といった肩書の使用を許諾・黙認していた場合も授与表示にあたり得ます。
② 表示された代理権の「範囲内」で代理行為が行われたこと
例えば「1000万円までの仕入れ契約を結ぶ権限を与えた」と表示し、実際に1000万円以内の仕入れ契約が締結された場合がこれに該当します。
③ 相手方が善意無過失であること
相手方が「実際には代理権がないこと」を知らず(善意)、知らないことについて落ち度がない(無過失)ことが必要です。なお、改正民法では相手方の悪意または過失に関する立証責任が本人側にあることが条文上クリアに示されています。