なぜ中島らもは今も熱狂を呼ぶのか?『ガダラの豚』と伝説の生涯を徹底解剖
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彼の代表作といえば、角川文庫などで愛読され続けている『ガダラの豚』を外すことはできない。新興宗教、アフリカの呪術、超能力者のペテンを巡る壮大なエンターテインメントであり、同時に宗教の本質に迫る傑作だ。執筆にあたっての緻密な取材と、圧倒的なスケール感は、当時の読者を驚愕させた。
一方で、新潮社から刊行され吉川英治文学新人賞を受賞した『今夜, すべてのバーで』は、自身のアルコール依存症体験をモチーフにした自伝的傑作である。死と隣り合わせの病棟で繰り広げられる滑稽で切ない日常。ユーモアの皮を被った悲痛な叫びは、読者の胸を打たずにはいられない。この2作の対比にこそ、彼の文学的振れ幅の大きさが凝縮されている。