「伯」はどこの国?ブラジルと読む理由と歴史の真相【2026年最新】
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「ブラジル」というポルトガル語の音に対して、なぜ「伯剌西爾」という漢字が選ばれたのか。その読み方は「伯剌西爾(ブラジル)」であり、明治期における「当て字(音訳)」の歴史に起源を持ちます。
江戸末期から明治維新にかけて、日本は世界各国と不平等条約の改正や通商条約の締結を進めました。当時はカタカナ表記が現在ほど一般化しておらず、外交文書や公的記録は基本的に漢文調の墨付きで行われていました。当時の外務省関係者や蘭学者たちは、中国(清代)の地理書である『海国図志』などを参照しつつ、海外の地名を自国の漢字音に無理やり当てはめる作業を急ピッチで進めたのです。
当時の記録を検証すると、ブラジルの当て字にはいくつかの揺らぎが存在していました。
- 伯剌西爾:当時の音読みに近い「ハク・ラ・シ・ジ・ル」を組み合わせてポルトガル語の発音「Brasil」を模倣した表記。これが政府公認に近い形で定着。
- 巴西:主に清朝(中国)で広く定着した音訳表記(現代中国語でもブラジルは「巴西 / バーシー」と表記)。日本でも一部の古文書に見られる。
- 武良尻:幕末期の私設文書などに散見される極めて初期の当て字。語感が美しくないことなどから早々に淘汰された。
最終的に公文書で「伯剌西爾」が勝ち残った結果、その頭文字である「伯」が国名略称として公式に定着しました。中国語圏では頭文字をとると「巴」になるところ、日本独自の受容プロセスを経たため、現代でも「ブラジル=伯」という日本独自の表記文化が残ることになったわけです。