『殺戮にいたる病』結末と叙述トリック徹底解説!ラスト一行の真相

『殺戮にいたる病』結末と叙述トリック徹底解説!ラスト一行の真相にまつわる最新トピックを分かりやすく発信ます。

本作におけるもうひとつの決定的な謎解きが、稔のモノローグに頻繁に登場する「かおる」の正体です。稔は女性たちを拉致・殺害し、遺体を凌辱・解体するという常軌を逸した凶行を重ねますが、その行動原理はすべて「かおるの完全な再現」という歪んだ美意識に根ざしていました。

読者の多くは、この「かおる」を稔がかつて愛した同年代の元恋人、あるいは失恋した相手だと推測しながら読み進めます。しかし、明かされた真実は蒲生稔の実母・蒲生かおるでした。

稔が罹患していた「病」の根源は、精神分析学でいう極端なエディプスコンプレックスと、死体性愛(ネクロフィリア)の融合です。幼少期に絶対的な存在であった母・かおるの死に直面した稔は、母の冷たくなった遺体に異常な性的興奮を覚えた原体験を持っています。彼にとって生きている女性は不完全であり、死んで冷たくなり、自己の思い通りに解体・保存できる肉体となって初めて「母・かおる」と同等の完全美へと昇華されるのです。

作中を振り返ると、この真実を示唆する伏線は随所に埋め込まれていました。稔が被害女性の肌の質感や匂いを語る際、どこか「幼少時の記憶」や「懐古的な温もり」を想起させる表現が選ばれている点、そして雅子が義理の母の遺品や仏壇に対して見せる心理的距離感など、再読時に鳥肌が立つような精密さで回収されていきます。

森 瞳

森 瞳

ヘルス&ウェルネスアドバイザー

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。

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