昭和の怪優が遺した呪縛と熱狂――没後半世紀に迫る2026年、私たちはなぜ「財前五郎」を忘れられないのか
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若き日の彼は、大映の看板スターとして破竹の勢いを誇っていた。『悪名』シリーズで見せた勝新太郎との軽妙かつ骨太な掛け合い、そして『黒の試走車』に代表されるクールな産業スパイ役。都会的でスマートな二枚目という枠組みを超え、野心と知性を兼ね備えた唯一無二のポジションを確立していた。
しかし、ポスターの序列問題を契機とした映画会社トップとの衝突が、彼の運命を大きく狂わせる。専属契約解除、そして映画界全体からの事実上の追放宣告。五社協定の壁によって銀幕から締め出された男は、プライドをズタズタに引き裂かれながらも決して頭を下げなかった。キャバレー回りのドサ回りを経て、彼は当時「格下」と見なされていたテレビの世界へ活路を見出すことになる。